2年前でそこそこ昔のツイートですが、先日こんなツイートを見かけました。
はじめましてです。夏頃に訪れた某県庁所在地のバスターミナルでこんな光景に絶句いたしました。これを設計した建築デザイナー氏や施設管理者氏に、弱視体験メガネ+白杖でココを歩いていただきたいものです。 pic.twitter.com/D2U3D8C8Gz
— akira goto (@akira_goto) November 21, 2017
視覚障害者というと全盲をイメージしてしまいがちですが、それよりも弱視の方が圧倒的に多いそう。
「弱視の方にとって点字ブロックは黄色だと見やすい」という話題に関するリプです。
「ほえー」と思って見ていたら、ここは新潟市万代にあるバスセンターではありませんか!
(;´・ω・`)これ、新潟市のバスセンターですね。酷いなあ
— ラッパ (@NG_FORUM) November 21, 2017
あ、私は新潟市居住、バスセンターを使うことはないでのですが、電車移動、駅利用、ほか施設を含めて
自分が障害者になってから、なんて不便な街なんだろうって(人あたりとかも含めて) 日々感じてましたが、ここまで酷いとは 絶句しました。
バスセンターに行ってみた
あんま意識して見てなかった(というかバスセンターに行く機会自体そんなになかった)ので、実際に見に行ってみました。
バスセンター内
新潟駅から歩いてバスセンターへ。
まずはバスセンターの手前です。

赤いタイルに黄色の点字ブロックでコントラストはそんなに高くはありませんが、タイルの大きさが違うのもあってそんなに視認性は悪くありません。
ただ1本道を渡ると…、

地のタイルが黄色と白なので見にくくなってきました。
とはいえこれでも今後出てくる写真に比べたらまだマシです。

入ってすぐのところです。
黄色がだいぶ黒ずんでるのもあってまだ大丈夫…!
もっと奥まで進んでみると…、

これは~~~~~~~!!!!!
床の模様に合わせて点字ブロックも黄色や白になっています。
これでは一目で点字ブロックを見分けるのは難しそうですね。
(というか点字ブロックを景観に隠すために色を合わせたのでしょうし)
渡辺、裸眼の視力が0.03ぐらい(中学の時に測った視力)なのですが、その視界をざっくり再現するとこんな感じになります。

普通のブロックと点字ブロックを判別するのはほぼ“無理”そうです。
0.03でこれなので弱視だともっと“無理”でしょう。
さらに、こんな場所も。

点字ブロックの途中にマンホールがあります。
色の問題とは別の問題としてこれもダメなのでは…。

ちなみに冒頭のツイートの写真はこの辺りとかですかね。聖地巡礼~。
バスセンター周辺

こちらはバスセンターを出たところ。
入ったところとは違い、見やすいですね。
見やすさで言えばこういうのが理想なのでしょう。
そういう観点で街中を見てみると案外他にも「見にくい点字ブロック」が見つかったりします。
例えば万代周辺でも、

地面と同化してしまっていたり。
その他の情報
この件に関連する感じのツイートもまとめておきます。
なぜこうなった?
この設計につきましては私としても肯定的に捉える事は出来ませんが、その是非よりも先ず、何故この選択に至ったのかを純粋に知りたい所ですね。
— 株式会社石井マーク (@ishiimark_sign) November 21, 2017
私共のような実用的工業デザインの立場ですと、斯様な「ゲージュツ的なデザインをできない事」に対して誹りを受ける事は一度や二度三度ではありませんし。 https://t.co/T3nTKu00WR
有識者の石井マークさん。
「 #点字ブロック と床面を同化させることで、デザイン性を確保しようとした」。ビルを所有する新潟交通の担当者は説明します。視覚障害者の7割を占める弱視者はブロックだけでなく色も歩行の助けにしています。https://t.co/90sO2Cxo87
— 毎日新聞 (@mainichi) December 6, 2017
毎日新聞が新潟交通に取材したところ「点字ブロックと床面を同化させることで、デザイン性を確保しようとした」とのこと。
こちらは44年前の1973年11月に建てられて、床だけでなく建物全体が黄色と白色のデザイン。当時のデザイナーさんはご存命なら70-90代でしょう。
— くらな (@kurana_e) November 22, 2017
点字ブロックの発明から8年、世界初の敷設から6年後で当時としては先進的だったのかもしれません。
ソースは確かめていませんが、バスセンターは1973年に建てられたそう。
一方点字ブロックは1965年に岡山県で初めて考案され、70年代頃から普及し始めたそうです。
なので建設当時はそこまで考えられていなかったのかも知れませんね。
こちらもソースは確かめていませんが、「2020年に予定しているビルの耐震化工事に合わせ、デザインを変更できるか考える」という話があると書いているブログもありました。
参考:万代シテイバスセンター問題から点字ブロックを改めて考える
福祉会館が近くにある
新潟市のバスセンターなのですか?
— たかこ*全国ヘルプマーク普及ネットワーク&SDGs (@r2Nn7tlbQ2uqSDp) November 21, 2017
福祉センターが近くにあり
視覚障がいの人も 通るのに…(T-T)
400m程離れて総合福祉会館がありますので福祉関係者の目にも留まって来たはずですが何故今迄変わらなかったのでしょうね。
— くらな (@kurana_e) November 22, 2017
糾弾したいわけでないのでしたら「点字ブロックの方を黄白色に対し見易い色に変える」等の「こうなってほしい」と言う利用者目線の改善策も書いて頂ければ良いかと思います。
地元です。なんでか気に止めていなかったのですが、そもそもここってあまり通らない…?と思ってしまいました。全盲の母によると、出入口が複数あったりと方向感覚が掴みにくい様です。
— Cheryl (@hAnAtA_928) November 22, 2017
しかし、このターミナルの近くには福祉会館があり、もっと多く利用されるべきだと思うのですが…難しいところです
確かに福祉会館が近くにありますね。
バスセンターのバスを利用して自宅と行き来する人もいるかも知れません。
おわりに
景観との兼ね合いだとか足腰の弱い人がつまずくとか車椅子が通りにくいとか、あちらを立てればこちらが立たぬで全員が全員満足できるデザインなんてものはあり得ないですが、良い感じになるとよいですね。
昔の施設に対して当時無かった常識で糾弾するのは、事後法というか遡及処罰というか気が引けてしまいますが、まあ良い感じになるとよいですね。
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